“次は、やり返したれ”
「また次の阪神戦から?なんやねん、キャベッジ……」
金曜の昼休み。スマホでスポーツニュースを見ながら、つい小さく声が漏れた。
なぜこうもタイミングが重なるのか。って、まあプロの世界に“忖度”なんてあるはずないけど、
気持ちとしてはやっぱり納得いかない。
昨日のヤクルト・村上然り、ライバル球団の主力が皆阪神戦で復帰する。
夕方には仕事を片付けて、陽菜と定時ぴったりに社を出た。
今日は気温が高くて、白Tの上に羽織ったリネンのジャケットも、駅までの数分で汗ばむくらいだった。
でも、阪神電車を降りると、風が出てきて、それがほどよく心地よかった。
一塁内野席。
甲子園カレーは、やっぱり“沁みる”味だった。
陽菜が「このカレー、街中でも売ってくれたらいいのに」って言いながら食べてるのを見て、
なんだかちょっと笑ってしまった。
“沁みる”って、レシピじゃなくて気分で決まるのかもしれないな、とか思いながらスプーンを動かしてた。
スタメンには2番・小幡の名前。
「そういえば、小園と同期やったな」って言ったら、陽菜は「それ、阪神の選手?」って。
“今”だけ見るタイプ”の陽菜と、どうしてか記憶の細部にしがみつく私。
でも今日は、その差がなんとなく心地よかった。
試合は阪神が先制した。
森下くんの出塁から、前川くんのタイムリー。
湧きあがるスタンド。歓声がまっすぐにグラウンドへと届いていく。
「今日、いい流れかもな」って、私は思った。
甲子園って、不思議と気持ちを押し上げてくれる瞬間がある。
でも、そのあとだった。
2回表、村上が捕まる。粘られ、ヒットを打たれ、気づけば5失点。
スタンドの空気も、沈黙とため息が混ざったような色に変わっていた。
「中継ぎ、昨日延長やったし……」
そんな言葉が口から出たのは、少し苦しかった。
不安もあった。でも、それは杞憂に終わった。
今日一軍に戻ってきた島本。漆原、岡留、そして岩貞。
誰が出ても阪神の投手陣は、胸を張って投げ、その粘投が試合の均衡をを保っていた。
“仕事をする”って、こういうことなんだろうなと思った。
誰かの目に映らなくても、誰かの期待に応えること。
試合はそのまま終盤へ。
3点差を背負ったまま迎えた9回裏。
打席には3番・森下くん。
ここで一本出れば、何か起きるかもしれない。球場の空気が、そう言っていた。
結果は……。
悔しさはある。でも、それだけじゃなかった。
ピッチャーの投球、野手の声、応援の拍手、全部がまっすぐ伝わってきた。
“負けたけど、信じられるチーム”って、こういうことかもしれないって思った。
カープのエース森下投手と、阪神の村上。開幕戦と同じカードで今日はやり返された。
野球は面白い。長いシーズンでまたこの両エースは何度も投げ合うんだろう。
甲子園の夜風はあたたかくて、少しだけ湿っていた。
陽菜は帰り道に、「なんか、この空気がすでに次の試合への助走って感じしますね」と言った。
私は「うん。次はやり返したれ、って思えるやん」と返した。
帰り道の会話が、なんとなく背筋を伸ばしてくれた。
【今日のスコア】
2025年4月18日(金)@甲子園球場
阪神 2 − 5 広島
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