午前9時の時点で、俺の気持ちはもう甲子園に向かっていた。
役場の庁舎に響くプリンター音も、住民課の窓口のざわつきも、まるで他人事。
俺の脳内には「高寺スタメンあるか……?」という期待がぐるぐると渦巻いていた。
職場のデスクでスポーツ新聞を開くわけにもいかんから、スマホでスタメン予想をこそこそチェック。
自分でも呆れるくらい浮き足立っていた。
そして午後、ついに来た。2025年、初めての現地観戦。
嫁も付き合ってくれるというので、ちょっと気合い入れて大山のユニフォームを新調した。
スタンドに着くと、発表された3番サード・佐藤輝明の名前。
うん、これや、これが今の阪神や。若手を育てて、背負わせて、勝たせる。
これが“阪神イズム”やと、胸の中でうなずいた。
ところが1回表。あっさり先制されて、「ああもう今日アカンやつや」とすねていた俺に、
すぐさま反撃の雄叫びが降ってきた。
中野の出塁から、スタメン復帰したテルが繋ぎ、そこからの大量4得点。
やっぱり『1』以上の数字がスコアボードに並ぶと嬉しい。
昨日までのヤクルト戦を見ているから尚更。しかも相手は大エース・高橋や。
久しぶりに、「阪神らしくない阪神」ってやつを見せてもらった。
5回。村上が1点返されて、ちょっと不穏な空気が流れる。
でもその裏、木浪、坂本と粘っての追加点。
派手ではないけど、こういう得点の仕方こそ好きやねん。
“仕事人”って感じがする。目立たへんけど、しっかりやる。
理想の公務員像かもしれんな(俺含めて)。
6回には及川がマウンドに上がり、相手を3者連続三振。
たまらず両手で拍手した俺の姿を、嫁が「子どもか」と笑ったけど、構わん。
8回には石井も完璧な投球。これも3者連続三振。
「どうや、見たか。ウチの若手リリーフ陣」
もはや誰に言っているのかわからないが、気持ちは高ぶっていた。
試合はそのまま6−3で勝利。
村上は今季3勝目、打線も繋がったし、投手陣も盤石。言うことなし。
妻との帰りの阪急電車。
ぼーっとしてたら、少し冷えた空気が肩に触れた。
今夜はあったかいものでも飲もう。甲子園の勝利を、ゆっくり噛み締めながら。
あの試合の余韻を肴に、今夜は一杯。
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