日曜の朝、代田橋のアパートの天井は、いつもより低く見えた。
たぶん気のせいだ。というか、毎日そう感じてるから、もはやそれがデフォルトかもしれない。
「帽子、深くかぶりすぎじゃない?」と透に言われたのは、東京ドームに着いてから。
キャップにサングラスにマスク。怪しいにも程があるが、こっちは一応“元・月9出演者”だ。
たとえそれがバスの乗客役で、エンドロールに名前が載っていなかったとしても。
自意識は常に最前線を走っている。
球場は明るかった。天井から降ってくるライトに、現実がくっきりと照らされていた。
1回、2回、3回と阪神はノーヒット。
それでも客席の阪神ファンは元気だった。
「打てへん日もあるって!」と後ろの席の人が笑いながら言っていた。
その楽天性、舞台に持ち帰りたいくらいだ。
4回表。
大山の内野安打がチーム初ヒットとなり、満塁になった時、この日初めてのチャンスにスタンドの空気も変わった。
透が「そろそろ欲しいな」と言ったその直後、前川が押し出し四球を選び、阪神が1点を先制。
静かな試合だったぶん、その1点がずっしり重く響いた。
マウンドの門別は、体格以上にピッチングスケールが大きく、ストレートで勝負できるピッチャーだった。
ボールの質も、テンポも、20歳とは思えない落ち着きだ。
透も「この子、将来性抜群だね」とぽつりとこぼしていた。
そのあとは工藤、石井、桐敷、岩崎とつなぐ完璧なリレー。
1点のリードはずっと変わらなかったけれど、不思議と怖くなかった。
マウンドの彼らが、揺るがない芯を持っていたからだと思う。
1対0。
派手な試合ではなかったからこそ、目を離せない試合だった。
試合後、透と入ったラーメン屋で、門別のヒーローインタビューが流れていた。
「なんかこのまま、この子いきそうだね」
透がまた、控えめな声でつぶやいた。
それが、今日いちばん胸に残った。
夢の舞台に立てるのは、才能と運、だけじゃない。
タイミングと、あきらめなかった数だけ、舞台の照明が灯るのかもしれない。
門別がプロ初勝利をあげたこの日、
また照明を浴びる日を、ちょっとだけ信じた。
【今日のスコア】
2025年4月6日(日)@東京ドーム
阪神 1 − 0 巨人
門別がプロ初勝利!無失点リレーで逃げ切り!
📘この記事は「TIGERS STORY BLOG」の投稿です。
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